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BtoB SNS広告の媒体別比較【LinkedIn・Meta・X・TikTokの使い分け】

リーカク!編集部2026/06/12 公開
BtoB SNS広告の媒体別比較【LinkedIn・Meta・X・TikTokの使い分け】

SNS広告 BtoB 比較という観点で媒体を選ぼうとすると、「LinkedInは高い」「Metaでもリードが取れる」「Xはどう使う?」と迷いやすい。各媒体は特性がまったく異なり、商材・目的・予算によって正解が変わる。本記事ではLinkedIn・Meta・X・TikTok・Wantedlyの5媒体を実務目線で比較し、BtoBマーケティング担当者が予算を投じる前に知っておくべき判断軸を整理する。

BtoBでSNS広告が機能する条件

SNS広告がBtoBリード獲得に機能するには、三つの条件が揃う必要がある。

ターゲットがSNSを使っている。BtoBの購買決裁者やインフルエンサーが実際に利用しているプラットフォームでなければ、いかに精緻なターゲティングを設定しても届かない。LinkedInはビジネス用途での実名登録が前提のため、この条件を満たしやすい。

ターゲティング精度が商材に合っている。「製造業・従業員500名以上・部長以上」のような職能軸での絞り込みが必要なエンタープライズ商材と、「スタートアップ・HR担当者全般」を広く刈り取りたい低〜中単価SaaSとでは、必要な精度がまるで違う。

CPLに見合うLTV・単価がある。SNS広告はリスティング広告に比べてCVRが低めになりやすく、CPLが跳ね上がることがある。商材の受注単価と比較して許容できるCPL上限を先に算出してから媒体を選ぶことが重要だ。

この三条件を念頭に置いたうえで、各媒体の特徴を見ていこう。SNS広告の戦術全般はこちらにまとめている。

LinkedIn広告の特徴(役職ターゲティングと決裁者到達)

LinkedIn 広告は、BtoBマーケティングにおける「精度最優先」の媒体だ。日本国内の登録者数は500万人以上で、実名のビジネスプロフィールデータをそのままターゲティングに使える唯一のSNS広告プラットフォームである。

主な強みは役職・業種・企業規模・職務経歴・スキルによるピンポイント指定にある。「従業員500名以上の製造業の部長以上」といった絞り込みが可能で、他媒体では難しい決裁者層への直接到達が現実的な手段になる。広告フォーマットもスポンサードコンテンツ・スポンサードメッセージ・テキスト広告・Dynamic広告と多彩で、リードジェンフォームを活用するとLP不要でリード情報を取得でき、CVRの向上が期待できる。

費用感としては、CPC相場が約2,000円前後(日本市場、2026年時点・Flagout社調査)と他SNSより高水準になる。CPL目安は1万〜10万円で商材やターゲットによって幅が広い。最低出稿金額は1日800円〜と小額からテストできるが、月30万円以上の予算があってこそデータが蓄積しやすい。

エンタープライズ向けSaaS・HRテック・コンサルティング・金融・法人保険など、商材単価が高く、決裁者への到達精度がCPL以上に重要な商材に向いている。

Meta広告の特徴(リーチ規模とリターゲティング)

Meta 広告(Facebook / Instagram)はBtoBの文脈では「コスト効率」と「リーチ規模」が最大の強みになる。FacebookとInstagramおよびAudience Networkへ横断配信でき、CPCは数十〜数百円とLinkedInに比べて大幅に安い。

BtoBでの活用主軸は「インスタントフォーム(リード獲得広告)」だ。Metaアプリ内でフォームが完結するためLPへの遷移なしにリード情報を取得でき、ユーザーのプロフィール情報が自動補完されることでCVRが向上しやすい設計になっている。ターゲティングは役職・会社・業種・学歴・類似オーディエンス・カスタムオーディエンスで絞り込める。B2Bコンバージョン率の目安は2.0〜5.0%だ。

リターゲティングとの組み合わせが特に効果的で、展示会や他媒体で接触した見込み客リストをカスタムオーディエンスとして取り込むことで、認知済みのターゲット層に繰り返しリーチできる。最低出稿額はなく1日数百円から設定可能だが、本格的なB2B運用には月10万円〜が目安となる。

中小企業・スタートアップ向けSaaS、HR・採用支援、低〜中単価のB2Bサービスに相性がよく、高単価サービスはLinkedInとの組み合わせが効果的だ。

X広告・TikTok広告の活用余地

X広告(旧Twitter広告)

X 広告(旧 Twitter 広告)の特徴は「リアルタイム性」と「ITコミュニティへのリーチ」にある。タイムラインへのプロモポスト配信が主流で、技術系・IT系コミュニティへの接触が他媒体より取りやすい。2025年2月には「目標顧客獲得単価」入札方式が追加され、CPAへの自動最適化も可能になった。

ターゲティングはキーワード・フォロワー類似・カスタムオーディエンス・興味関心で行う。CPCは比較的安価(数十〜数百円)で、最低出稿額もないため月5万円程度のテスト運用から始めやすい。

BtoBでの適性は「リード獲得」よりも「認知・ブランディング」に寄っている。ITエンジニア・開発者向け製品・SaaSのウェビナー集客や、スタートアップ向けサービスの認知拡大での活用が現実的な用途だ。コンバージョン重視の運用よりも、見込み層の育成や検索前段階での認知形成に向いている。

TikTok広告(TikTok for Business)

TikTok 広告(TikTok for Business)はBtoBリード獲得における活用余地がまだ限定的だが、採用広報と若手層へのブランディングで頭角を現している。インスタントフォームによるリードジェネレーションキャンペーンも2021年から利用可能で、アプリ内でリード情報を取得できる。

B2B職種・業種ターゲティングの精度はLinkedInに及ばないが、20〜30代若手層への到達という観点ではユニークなポジションを持つ。セルフサーブ型の最低日予算は500円〜(公式)と試しやすい設定だ。TikTok for Businessを活用したマーケ施策でリード獲得数10倍の事例も報告されているが(Sairu社)、商材や業種によって再現性は異なる。

BtoBでのリード獲得というよりブランディング・採用広報目的が主流であり、HR・SaaS・IT系サービスの認知拡大に使う文脈が多い。

Wantedly広告など採用文脈の媒体

Wantedly 採用広告はBtoBのリード獲得広告ではなく、採用マーケティング媒体だ。ただし「BtoBのSNS広告」という観点では、採用を通じた自社ブランド構築という点で無視できない存在感がある。

登録ユーザーは400万人以上(20〜30代中心)で、企業文化・ミッション・Visionへの共感で候補者と出会う設計になっている。スタートアップ・SaaS・Web系・IT企業のエンジニア・ビジネス職採用に強みがある。

費用はライトプランが月5〜6万円(6ヶ月36万円〜)、スタンダードプランが月13〜15万円(6ヶ月90万円〜)、プレミアムプランが6ヶ月132万円〜(2026年、複数調査サイトより)。SNS広告オプション(Facebook/X連携)は1週間10万円〜(クリック課金)で提供されており、採用候補者へのリーチ拡大に使える。採用成功報酬はなく、掲載数は無制限だ。

リード獲得とは別軸で「採用ブランディング」を強化したいBtoB企業にとっては、有力な選択肢になる。

媒体別の費用相場とCPC比較

各媒体の費用感を整理する。数値はいずれもシードデータ(digital-ads.json)記載の根拠情報に基づく。

| 媒体 | CPC相場 | 最低出稿 | 本格運用目安 | |------|---------|---------|------------| | LinkedIn広告 | 約2,000円前後(Flagout社調査) | 1日800円〜 | 月30万円〜 | | Meta広告 | 数十〜数百円 | 制限なし | 月10万円〜 | | X広告 | 数十〜数百円 | 制限なし | 月5万円〜 | | TikTok広告 | 非公開 | 日額500円〜 | 月5万円〜 | | Wantedly | 採用課金 | 月5〜6万円〜 | 月5〜15万円〜 |

LinkedInのCPCが突出して高いのは、ターゲティング精度の高さと決裁者到達価値の反映だ。一方で、Metaは「安いがリードの質にばらつきが出やすい」という特性があり、リードスコアリングや育成施策とセットで運用することが多い。

目的別の媒体選定と組み合わせ方

目的ごとの媒体選定指針をまとめる。SNS広告カテゴリで各媒体を比較すると各サービスの詳細情報を横断確認できる。

決裁者へのダイレクトリーチを最優先にする場合はLinkedIn広告一択に近い。CPLが高くても、商材単価・LTVが十分あれば採算は合いやすい。エンタープライズSaaS・コンサルティング・高単価HR系サービスに向く。

リード数を確保しながらCPLを抑えたい場合はMetaをメインに据えてLinkedInをサポートに使う構成が有効だ。Metaで広くリード獲得し、LinkedInで決裁者層を補完する形で両媒体を予算按分する。

IT・SaaS系での認知拡大・ウェビナー集客はX広告が費用対効果を出しやすい。エンジニア・技術系コミュニティに直接リーチできる特性を活かし、イベント告知や資料ダウンロード訴求に使う。

採用広報・ブランディングはWantedlyとTikTok広告を組み合わせるアプローチが増えている。20〜30代の若手層へのリーチ力を活かし、採用候補者に対して企業文化を伝えるコンテンツを届ける。

複数媒体を運用する場合、各媒体にKPIを設定して定期的に費用対効果を検証することが重要だ。「LinkedInで決裁者認知を高め、Metaのリターゲティングで刈り取る」といったファネル設計で媒体の役割を明確にすると、全体のCPLを抑えながら質の高いリードを獲得しやすくなる。

SNS広告はいずれの媒体も少額から始められる設計になっているため、まずは月5〜10万円規模で2媒体をテストし、CPLと受注までの転換率を比較してから予算配分を決めるのが現実的なアプローチだ。

実際の利用企業の口コミはリーカク!で(無料会員登録)ご確認ください。

関連サービス

X 広告(旧 Twitter 広告)

X 広告(旧 Twitter 広告)

X(旧Twitter)上で配信するSNS広告。リアルタイム性・話題拡散力が強みで、IT・SaaS系B2Bにおける認知獲得やウェビナー集客に活用。CPCは比較的安価で少額から始めやすい。

最低出稿額なし。B2BのCPL相場は媒体・商材により大きく変動

Meta 広告(Facebook / Instagram)

Meta 広告(Facebook / Instagram)

Facebook・Instagramに配信するSNS広告。B2Bでは職種・興味関心・類似オーディエンスを活用。インスタントフォームで低CVRを補い、CPCはLinkedInより大幅に安い。

最低出稿額なし。B2BのCPL相場は媒体・商材により大きく変動

LinkedIn 広告

LinkedIn 広告

世界最大のビジネスSNS。役職・業種・企業規模・勤務先を実データで絞れる唯一の媒体。日本登録者数500万人以上。CPCは2,000円前後と高単価だが決裁者への精度が高い。

最低出稿額 1日800円〜。CPC相場約2,000円前後、CPL目安1万〜10万円(Flagout社調査)

Wantedly 採用広告

Wantedly 採用広告

共感型採用SNSで400万人以上の登録者(20〜30代若手中心)を対象とした採用広告。成果報酬なし・掲載数無制限。SNS広告オプションで認知拡大も可能。B2B文脈では採用マーケとして活用。

ライトプラン月5〜6万円〜、スタンダード月13〜15万円〜(2026年、複数調査サイトより)

TikTok 広告(TikTok for Business)

TikTok 広告(TikTok for Business)

TikTok上で配信される動画広告。インフィード広告のリード獲得フォームでB2Bリード取得も可能。若年層比率が高くB2Bでは認知・採用広報が主な活用。インスタントフォーム対応あり。

最低日予算500円〜(セルフサーブ)。B2BのCPL相場は媒体・商材により大きく変動