
BtoBのリード獲得施策として検索広告や展示会に注目が集まる一方、ディスプレイ広告・動画広告は「認知から検討フェーズの醸成」において独自の役割を担います。本記事では主要媒体の特徴・費用感を比較し、BtoBマーケターが実践できる媒体選びと組み合わせ戦略を解説します。
BtoBにおけるディスプレイ・動画広告の役割
BtoBの購買プロセスは長く、意思決定者が複数存在します。検索広告は「課題を認識し解決策を調べているタイミング」に機能しますが、その前段階——まだ課題を言語化できていない、あるいは自社を知らない見込み顧客——へのリーチには、ディスプレイ・動画広告が有効です。
主な活用シーンは、ターゲット企業の担当者・決裁者へのブランド認知形成、ウェビナー・資料ダウンロードへの集客、一度サイトを訪れた検討層へのリターゲティング、商談中の相手企業へのナーチャリング接触(ABM的活用)の4つです。「このフェーズにどの媒体が向いているか」を理解したうえで費用対効果を設計することが重要です。
YouTube・Google Demand Gen広告の特徴
YouTube広告
YouTube広告はGoogle広告から配信できる動画広告プラットフォームです。スキップ可能なインストリーム広告・バンパー広告・動画アクション広告などのフォーマットがあります。
BtoBでは「カスタムインテントオーディエンス」——特定のキーワードを検索したユーザーに絞り込む機能——を使うことで、業務課題を調べているビジネスパーソン層に動画を届けることができます。ERPや製造DX、セキュリティサービスなど複雑な商材の理解促進や検討フェーズへの引き込みに向いています。最低出稿額はなく、Google広告として運用します(動画素材の制作コストは別途必要)。
Google Demand Gen(旧ディスプレイ広告)
Google Demand Genは、2026年6月よりGoogleの旧ディスプレイキャンペーン(GDA)が統合される新しいキャンペーンタイプです(2027年完了予定)。YouTube・YouTube Shorts・Gmail・Discover・GDNの複数面をAIが自動最適化して配信します。リマーケティングによる商談化促進にも効果的で、最低出稿額なし。Googleによれば、GDNをDemand Genに切り替えた広告主の平均ROIが9.5%改善したとされています。
経済メディア(日経・NewsPicks)の純広告
日経電子版 広告
日経電子版は、読者の75%以上が課長以上の役職者、経営層・役員クラスが30%超という、国内有数の決裁者集中メディアです。40%近くが世帯年収1,000万円以上という読者層の質は、BtoB広告において大きな強みです。
記事閲覧履歴をもとにした業種・テーマ別のインタレストターゲティングが利用でき、金融・DX・コンサルティングなど特定テーマへの関心が高いセグメントに配信できます。費用感はディスプレイ広告が最低30万円〜(インプレッション単価2.0円〜、新聞広告ナビ調査)、タイアップ記事は350万円〜(日経ビジネス電子版、日本経済社調査)。
NewsPicks 広告(Brand Design)
NewsPicks広告は20〜40代のビジネスリーダー層が中心で、読者の75%以上が会社員・役員クラスです。40歳未満が全体の63%を占め、次世代の意思決定者へのリーチに強みがあります。ブランドパネル広告は1vIMP 6〜8円、5万vIMP以上から出稿可能(roboma.io調査)。スポンサード記事は13万vIMP保証で300万円〜(roboma.io調査)。エンタープライズ向けSaaS・コンサルティング・製造DXに向いています。
ニュースアプリ・LINEヤフー等の配信面の違い
LINEヤフー広告 ディスプレイ広告
LINEヤフー広告は、2026年4月1日に旧LINE広告・Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)が統合されたプラットフォームです。Yahoo! JAPANトップページ・ニュース・LINEタイムライン・LINEニュースなど、国内人口の約8割にリーチできる配信面が特徴です。業種・役職・企業規模をセグメントしたターゲティングが可能で、最低出稿額なし。中小企業経営者や個人事業主向け商材との相性が良く、認知拡大とリターゲティングを幅広くカバーできます。
SmartNews 広告
SmartNews広告は、3,000以上のメディアから記事を集約するニュースアプリ内のネイティブ広告です。2025年7月10日よりセルフサーブ型が開始され、Standard Ads(運用型)は最低出稿額なしで小規模からテスト出稿が可能です。BtoBではリードジェンよりMOFU(検討促進)フェーズでの活用が中心で、SaaS・HR・金融・コンサルのコンテンツマーケティングとの組み合わせに向いています。
媒体別の費用感とKPI設計
| 媒体 | 最低出稿額 | 主な課金 | 向いているKPI | |------|-----------|---------|---------------| | YouTube広告 | なし | CPV/CPC | 動画視聴率・サイト流入 | | Google Demand Gen | なし | CPM/CPC | インプレッション・CV | | LINEヤフー表示 | なし | CPM/CPC | リーチ・リターゲティングCV | | SmartNews広告 | なし(運用型) | CPM/CPC | 記事閲読・サイト流入 | | NewsPicks広告 | 5万vIMP〜 | vIMP | ブランド認知・MQL | | 日経電子版広告 | 30万円〜 | CPM | ブランド認知・ナーチャリング |
認知フェーズのKPIは「インプレッション数」「視聴完了率」「ブランドリフト」、検討フェーズでは「サイト訪問数」「資料DL・ウェビナー申込数」が一般的です。BtoBのディスプレイ・動画広告は「検索広告の前段階での接触回数を増やし、指名検索・直接流入を育てる」という上流施策として位置づけ、KPIもその観点で設計することが現実的です。
認知から獲得までの媒体組み合わせ
認知フェーズ(TOFU)では、決裁者層の密度が高い日経電子版・NewsPicksでブランド認知を形成します。予算が限られる場合はYouTube広告やGoogle Demand Genでカスタムインテントを活用して絞り込む方法も有効です。
検討フェーズ(MOFU)では、一度接触した層へのリターゲティングが中心になります。Google Demand Gen・LINEヤフー・SmartNewsは最低出稿額がないため少額からのテストが可能で、ウェビナー告知や事例資料の訴求と組み合わせてMQLへの転換を促します。
商談化フェーズ(BOFU)になると検索広告(指名検索・比較検索)が主役に変わります。ディスプレイ・動画広告は「追い込みのリマーケティング」として補助的に活用します。
ディスプレイ広告のBtoB活用事例や広告カテゴリ別サービス一覧も参考にしながら、フェーズごとに最適な媒体を選んでください。
実際の利用企業の口コミはリーカク!で確認できます(無料会員登録)。
関連カテゴリ
ディスプレイ/DSP広告のサービスを見る関連サービス
Google Demand Gen(旧ディスプレイ広告)
YouTube・Gmail・Discover・Google表示ネットワークに横断配信するAI最適化型ディスプレイ広告。2026年6月よりGDNキャンペーンがDemand Genに統合開始。2027年完了予定。
最低出稿額なし。B2BのCPL相場は媒体・商材により大きく変動
SmartNews 広告
国内3,000メディアの記事を配信するニュースアグリゲータアプリの広告。ネイティブ広告形式でビジネスパーソンへのリーチに強み。2025年7月よりセルフサーブ型が開始。
Standard Ads(運用型)は最低出稿額なし。CPL相場は媒体・商材により大きく変動
NewsPicks 広告(Brand Design)
経済・ビジネス特化ニュースメディアの広告枠。読者の75%以上が会社員・役員クラスで決裁者リーチに強み。スポンサード記事・動画・イベントプロデュースでB2BリードとMQL獲得に対応。
ブランドパネル:1vIMP 6〜8円(5万vIMP〜)。記事広告・動画は300万円〜(roboma.io調査)
YouTube 広告
YouTube上で配信される動画広告。スキップ可能なインストリーム広告や動画アクション広告がB2BのリードジェンとCVに対応。決裁者・IT担当者向けコンテンツへのターゲティングが可能。
最低出稿額なし(Google広告として運用)。B2BのCPL相場は媒体・商材により大きく変動
日経電子版 広告
日本経済新聞電子版の広告枠。有料読者の約40%が世帯年収1,000万円以上、課長以上役職者75%超というBtoB決裁者集中メディア。ターゲティング広告・タイアップ記事等を提供。
ディスプレイ最低30万円〜(単価2円〜)。タイアップ記事350万円〜(日経ビジネス電子版、日本経済社調査)
LINEヤフー広告 ディスプレイ広告
Yahoo! JAPANポータル・LINEアプリなど国内最大規模の配信面を持つディスプレイ広告。2026年4月にLINE広告・Yahoo!ディスプレイ広告が統合。人口の約8割にリーチ可能とされる。
最低出稿額なし。B2BのCPL相場は媒体・商材により大きく変動
